開催趣旨

「21世紀の関西の産業社会」を考えるとき、「地域」と「企業」の持続可能な社会に向けた役割や関わりが大きなテーマとなります。2日間にわたるシンポジウムでは、企業や地域社会の現状と課題、さらには、その方法論を未来型産業地域社会の視点から考え、議論を展開していこうというものです。

このシンポジウムは、持続可能な地球社会が議題となる今夏開催「北海道洞爺湖サミット」に先立ち、関西でも行われる「G8環境大臣会合」(神戸市)を記念して開催します。また、都市の再興を目指しプロジェクトが進み注目される尼崎臨海地区へ本学の「サステイナビリティ・デザイン・オンサイト研究センター」(工学研究科附属)が研究施設として初進出することを機に開くものです。

1日目(3月7日)は、今、企業は地域社会とどのような関係にあり、今後地域とどのように関わっていくべきか、ということに関し、具体的な取り組みと哲学・思想研究の両面から明らかにしていきます。そのために、「産業社会を持続させるためのフィロソフィ」をテーマにとして、関西の企業関係者及び大学関係者の講演をいただきます。

2日目(3月8日)は、持続可能な地域社会をつくるためには何をすればよいか、ということに関し、日本の産業都市再生の動向を把握し、海外事例との共通点と相違点を明らかにすることを通して、臨地研究の機関が今後取り組むべき事柄を示します。そのために、「環境再生による持続可能な地域づくり」をテーマとして、大学関係者の基調講演、先進事例であるドイツ・IBAエムシャーパーク事業、スペイン・ビルバオの都市再生事業の実践者による講演、国内外の都市・地域再生の専門家によるパネルディスカッション等を行います。なお、午前中には、関連する内容について研究報告会を実施いたします。

関西が、日本のビジネス拠点で、街づくりの先端であった歴史を踏まえながら、日本の産業地域社会への提言を図る新たなステップとなることを皆様とともに期待しています。8日は、その発進基地となる大阪大学工学研究科附属SDオンサイトセンターの開所記念シンポジウムともなります。