挨拶

20世紀における科学技術の発展は、人類社会に著しい経済成長をもたらしました。しかしながらその反面,環境汚染、地球温暖化、資源枯渇など、人類の持続的生存を危惧させる問題が生じております。大阪大学サステイナビリティ・サイエンス研究機構(RISS)はこの諸問題を解決することを目指し、様々な研究・教育活動を行っております。

一方、地球規模の諸問題を解決するためには、私たちの活動の原点である地域社会の持続可能性を低める様々な問題を解決へ導くことも大切です。そのためには、地球と地域のどちらの規模にも視点を定めることのできる組織や人材が必要です。地球規模で共有可能な知の生産のみを志向するのではなく、地域に臨みかかわりを持ちながら問題を解決していく、いわば臨地研究の実践機関、実践者も求められていると、私たちは考えます。このための取り組みの第一歩として、RISSでは、「持続可能な産業社会形成」をメインテーマとしたシンポジウムを2日シリーズで開催します。

本シンポジウムを通して、企業や市民、研究者、行政それぞれが地域社会の一員として、関西圏を持続発展可能な地域へ移行させ国際連携を深めることができるように、考え実践する契機となれば、幸いです。

 

サステイナビリティ・サイエンス研究機構 機構長  豊田 政男

サステイナビリティ・デザイン・オンサイト研究センター センター長   盛岡 通