研究紹介

サステイナビリティ学の知の構造化研究

持続可能な社会を構築するためには、
様々な分野の知を有機的に連携させて問題解決に臨むことが必要です。
このための方法論として、大阪大学では、オントロジーを利用した
サステイナビリティ学の知の構造化に取り組んできました。
大阪大学RISSにおける「知の構造化」とは、
「人間の思考を利用しながら、動的に構造化する仕組みを織り込んだ取り組み」、
すなわち「構造化行為を含んだ取り組み」のことを指します。
オントロジーとは、元々、哲学の用語で、「存在に関する体系的な理論」のことであ
り、
オントロジー工学は、これをコンピュータが理解可能な形式で表現することで、
工学的に応用していこうとする知識科学の分野の手法です。
オントロジーに着目した理由は、
サステイナビリティ学に関係する多様な領域の知識を、
領域に依存しない形式で構造化できる点にあります。
開発中のサステイナビリティ・オントロジーにおいては、
自然・社会・人文の諸科学の枠組みを一度取り去り、
オントロジー工学の理論に基づいて再構築することで、
サステイナビリティの枠組みによる世界の見方を追究しています。

 

【参考文献】
Kumazawa, T., Saito. O, Kozaki, K., Matsui, T., and Mizoguchi, R.(2009) Toward Knowledge Structuring of Sustainability Science Based on Ontology Engineering, Sustainability Science, Vol.4(1), Springer, pp.99-116

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